
■ 2015年 初夏号もくじ

- 耳寄りヘッドライン
- 見落としがちなドッグケア
- 展覧会レポート
ファミリアペットクラブ全犬種展
- いぬはなにを考えているの?
第85回 安楽死/利岡裕子
耳寄りヘッドライン
新聞やネットの気になるニュースを拾い読み
神奈川県:猫や犬の殺処分がゼロ 新たな飼い主探しが成果
県動物保護センター14年度 猫は初、犬は2年連続
神奈川県は16日、飼い主に捨てられるなどして県動物保護センター(平塚市土屋)に収容された猫や犬の2014年度の殺処分がゼロになったと発表した。県は「新たな飼い主を探す取り組みの成果だが、収容される動物を減らすのが根本的な殺処分対策。飼い主に最後まで育ててほしい」と呼びかける。
【2015年4月17日付毎日新聞より】
犬殺処分:初のゼロ達成、猫も最少 札幌市
札幌市動物管理センターは、2014年度、市内で収容した犬の殺処分数が統計を取り始めた1972年度以降、初めてゼロになったと発表した。同センターによると、昨年度、収容した犬は301匹で、うち293匹が引き取られた。残りは病死など。猫の殺処分数もボランティアなどへの譲渡が進んだことから過去最少の534匹になった。同センターは「ペットは、みとるまで飼ってほしい」としている。
【2015年4月19日付毎日新聞より】
「犬の殺処分ゼロ」のうれしいニュースが続いたので、久々の耳寄りヘッドラインでぜひ紹介したい。
経済の先行きが読めず格差が広がりさまざまな不安が満ちている現代の日本の環境を考えると、殺処分ゼロの実現はとても驚くべきことのように思えてしまうが、それを可能にした理由はやはり、神奈川県では、収容された動物を引き取り、新たな飼い主を探す登録ボランティアの活動によるところが大きく、札幌市でも動物愛護団体との連携強化で新しい飼い主への譲渡が進んだことだった。市民の動物愛護意識も高まっているという。国会でも2月12日に超党派の議員約60名が集まり「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」(通称はっぴぃゼロ議連)が設立された。
2月18日付の東洋経済ONLINEでは「犬猫殺処分ゼロ」実現への高いハードル 超党派の議員連盟が発足、今後の課題とは?」と題し、議員が主張する問題点をクローズアップした。「国が予算を使わないから、全国のNPOやボランティアが代わって自腹で活動している。例えば2013年度の予算は1億7100万円が計上されているが、これを当時の引き取り数(約17.6万頭)で計算すると、1頭あたり971円になる。もう少し費用をかけて施設を改修するなどすれば、助かる命も増えるのではないか」
2013年度に殺処分された犬や猫は、12万8241頭(幼齢個体などの保管中の病気等による自然死も含む)。2013年4月1日から3月31日までの365日間に日本のどこかで、1日に351頭、およそ4分間に1頭が「殺された」。私たち人間によって殺されていく犬たちには文字通り時間はない、ということは、私たちがもっともっと想像力を働かせなければならないということだ。
※犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟設立総会記念では「全国都道府県知事からのメッセージ集」が配布されました。興味のある方はどうぞ。
http://satta158.web.fc2.com/docs/2015-2-13-messages-from-governors-for-no-animal-culling.pdf
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