PART1(28-1)犬と楽しく外出しましょう

PART1(28-1) 愛犬連れの仲間とランチを楽しみませんか?
お店に入るまでのマナー

1. こんなドッグカフェには、行きたくない!?
あなたはドッグカフェに、愛犬と行ったことがありますか?私は、あまり行きたくないこの頃です。なぜって?来店している犬たちや飼い主のお行儀が悪かったり、お店の犬がオフリードだったり、店内に排泄物の匂いが漂っていたり…衛生的で快適でリラックスして楽しめるお店がめったに見つからないのです。


2. 「ドッグ」のつかない飲食店に、愛犬と行きたい
本当は「ドッグ」のつかない、人が普通に利用する飲食店に愛犬と一緒に入店できたらいいなと思います。でもそのときは、マナーの良い、衛生・健康・病気予防の管理ができた犬でなければ、他のお客さまに迷惑がかかります。だから、愛犬に時間とお金とエネルギーをかけてそんなふうに育てることができた、社会性のある飼い主と愛犬、いわば選ばれた人と犬しか入店できないでしょう。そんな条件つきの飲食店が日本に増えたら、どんなにいいでしょう。お散歩の途中、ドッグトレーニングの帰りと、気軽に喉をうるおせて気分転換もできて、犬との外出もさらに増えるにちがいありません。



3. 「ドッグ」のつかないショップで挑戦そこで、私はチャレンジしたくなりました。というのも私の「家庭犬のしつけ方教室」のすぐそばに、「スナゲリ」という、お花と雑貨それに喫茶と軽食とアルコールが出るお店、もちろん「ドッグ」がつかない、素敵なショップがあります。ここで、愛犬連れの仲間どうしでランチをいただくことに挑戦できたらと。オーナーの杉山ユウスケさんは言いました。「しつけができていて、衛生面に気を配った犬ならいいですよ」と。やったあ!


4. ランチを楽しむモデルのみなさんです
「スナゲリ」ランチにチャレンジしていただくのは、次の3組です。
鈴木由美子さんとフラット・コーテッド・リトリバーのヴァトン

岡本美代子さんとラブラドール・リトリバーのハル君

大井由紀子さんとT・プードルのエンビ君

スナゲリ前にて。

みなさんは「優良家庭犬普及協会」主催の「キャナイン・グッド・シチズン・テスト」に受験予定で、私の教室に通っているトレーニング仲間です。このテストは、公共の場での犬のマナーと飼い主の社会性が図られるテストでもあり、陽性強化トレーニング法によるテストの中では、もっとも難度が高いと言われています。
テストの項目の一つに、「飼い主が飲食中のテーブルの下で、愛犬が10分間おとなしくしている」というのがあります。今回のチャレンジは、テストの練習にももってこいでした。ではこれから、お店に入るまでを手順を追ってご紹介したいと思います。

5. お店の前で集合。そのときの、悪い見本はこれ
「悪い見本、見せてくださ~い!」と言うと、3人はにやりと笑い、ほら写真のとおりにお店の前で、リードをだらしなく持ち、たむろしてくれました。


これでは他のお客様が入店したくても、犬がジャマになりますよね。待ち合わせ場所では、くれぐれも周りの人々に気を配り愛犬の管理をしたいものです。

6. お店前での、良い見本はこれ
「それでは、良い見本、お願いします」というと、みなさんはリードを短く持ち直し、入り口に向かって、縦に一列に並びました。これなら他のお客さまに迷惑がかかりにくいでしょう。仲間同士でおしゃべりしているときも、注意を怠らないでくださいね。

7. お店に入るときの悪い見本はこれ
入り口を犬でふさいでしまっては、お店から出る人に迷惑ですよね。

8. お店に入るときは…
間口が狭く、入り口付近に商品が並んでいる・・・犬ならつい、口にくわえたくなる誘惑がいっぱいのスナゲリ店内の入り口。一列に並んで入れば、トラブルも予防しやすくなります。
ちなみに写真では全員が写るように撮影したいため、小型犬のエンビ君が先頭になっています。でも実際では先頭を歩く犬はむしろ大型犬で、引っ張りグセが強い犬のほうが事故になりにくいでしょう。犬は狩猟本能があり、小型犬はどうしても大型犬のその本能を刺激しやすいのです。また目の前の犬が先を歩いていると、どうしても追いかけたくなるのが犬の習性です。何頭もの犬連れで入店するときは、こうした犬の習性も考慮して入店の順番を決めてください。


9. 店内に入ったときの悪い見本
「エンビ、勝手に行っちゃダメ」と大井さん。店内での悪い見本のモデルとなったエンビ君はすっかり張り切って、予想以上に店内を小走りに探索しはじめました。
リードを伸ばして店内に入ると、どうしてもエンビ君のように犬は勝手をしてしまいます。他のお客さまに不快感を与える大きな要因です。

10. 店内では愛犬のリードは短く持って
鈴木さんとヴァトン君。リードはほとんど手の中にたたむほど短く持っています。犬のサイズに関係なく、店内では愛犬の管理がしやすいようリードは短く持つのがマナーです。

11. 超難度の高い店内、飼い主としては神経を使います
スナゲリの店内。低い椅子と岡本ハル君の体長分もない小さなテーブルは、犬が立っているだけでランチを食べられてしまいそう。我慢できる犬だって、ものすごい誘惑の環境です。そしてご覧のように狭い店内では、ハル君が立っているだけで、他のお客さまが気になって振り返って見てしまいます。岡本さんは、ハル君を足元へ誘導するのにも神経を使っています。
この店内で、3組の犬たちはどうやって静かに飼い主の足元でふせていられるでしょうか?超難度の高い飲食店で、果たして食事が終わるまで犬たちはふせたまま落ち着いていられるでしょうか?次回をご覧下さい。