心理学者、精神科の医者として有名なフロイトは、年老いて犬を飼い始め、診察室にも連れてくるほど愛していました。フロイトはジョフィが、患者が落ち着いているときには患者のそばに座り、そうではないときは離れていることに気付き、診察の助けにしたようです。また、ジョフィがそばにいることが、患者の心、特に子どもを落ち着かせることに気付いたそうで、これがアニマル・セラピーのはじまりかもしれません。

紀元前8世紀、今から2800年前に書かれた古代ギリシャの詩人ホメロスの『オデュッセイア』。主人公オデュッセウスの帰りを20年もまちつづけたアルゴスは、世界で初めての忠犬でしょう。

世界で初めてのクローン動物は羊のドリーです。その後、猫、牛、馬、豚、ウサギなどのクローンが生まれ、ようやく犬のクローンがアフガン・ハウンドの耳の細胞組織から誕生したのです。このクローン技術は絶滅危惧種の保存や、愛犬を失った人たちのために役立てられています。

渋谷の駅前の銅像で有名なハチ公。飼い主だった大学教授を渋谷駅まで送り迎えする毎日を送っていましたが、教授は倒れて帰らぬ人になってしまいます、それでもハチ公は渋谷駅に通い、死ぬまでの10年間ずっと教授を待ち続けました。生きているうちから銅像がたてられ、亡くなった時には告別式がおこなわれました。秋田犬のハチ公は日本犬保存運動のきっかけになるとともに、動物愛護という考え方を国民に広めるきっかけにもなりました。

世界でもっとも長生きした犬としてギネスブックに認定されているのは、ブルーイー。なんと29さいと5カ月というご長寿でした。人間だと134さいくらいというから驚きです。

だれがなんのために書いたのか？なぞにつつまれたナスカの地上絵にはサル、ペリカン、コンドル、そして犬などおよそ70種類の動物が書かれています。2200～2800年前に書かれたといわれています。

ディズニー映画『ピーターパン』でおなじみ。ダーリングさんの家の愛犬・ナナは子どもたちの子守りもする女の子。

トランプにはたくさんのなかまの犬たちがいる。レディとトランプがスパゲッティを食べててキスをするシーンは有名。

1925年アラスカのノーム市で、ジフテリアの流行をふせぐため、たくさんのワクチンを犬ぞりで運んで市民の命を救いました。その犬ぞりチームのリーダーがバルト。その功績をたたえ、ニューヨークのセントラルパークにはバルトの銅像が立っています。

モンタナ州ベントンという町にはオールドシェップという犬のブロンズ像が立っています。病院でなくなった飼い主のひつぎが汽車に積み込まれ、それからというもの汽車が駅に着くたびに、6年間も駅で主人を探したそうです。

マンガ『ピーナッツ』の主人公チャーリー・ブラウンの愛犬がスヌーピー。たくさんのなかまたちとの世界が楽しく描かれ、ときにハッとする名言をスヌーピーがつぶやくなど魅力がいっぱいです。1969年、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号のリハーサルとなったアポロ10号では月への着陸船の愛称に「スヌーピー」の名が付けられたことはよく知られていて。2022年に打ち上げられたアルテミス1号には宇宙服を着たスヌーピーが乗り込みました。東京・町田市にスヌーピー・ミュージアムがあるので行ってみてはいかがでしょう。

今から110年ほど前の1911年、ノルウェーの探検家アムンゼンが人類で初めて南極点に行くことができました。犬たちにそりをひかせ、出発してから1年4カ月をかけて、生き残った11匹の犬とともに南極にたどりつきました。

南極に置き去りにされながらもきびしい寒さに耐え、1年後に生存が確認された、奇跡の樺太犬の兄弟がタロとジロです。映画化された『南極物語』は大きな話題をよんで日本中を感動させました。南極昭和基地あたりの気温は夏がマイナス1℃、冬がマイナス20℃といわれています。このような寒さでタロとジロがなぜ生き残ることができたのか？それは今でもなぞです。