PART1 犬と楽しく外出しましょう(7)

PART1(7) 犬に引っ張られて歩く散歩、苦痛ではないですか?
実は犬だって、苦しい!


1. 犬って、引っ張るのがあたり前?!
「犬に引っ張られて歩くのが、犬の散歩でしょ?」と、グイグイ犬に引っ張られて歩いていてもちっとも苦痛ではない人がいます。モデルの柴犬ミックスまいちゃんの飼い主、佐々木俊子さんのご主人も「引っ張られても平気派」。 でも妻の俊子さんは、「私はまいの散歩が苦痛です。引っ張られて大変ですから」と。多くの人は俊子さんのように「引っ張られるのが苦痛派」ではないでしょうか?
俊子さんは、まいちゃんとリードをゆるめて歩く練習を始めました。半年練習をした結果が画像の通り。まいちゃんは俊子さんの左側について、リードがゆるんだ状態で(つまり飼い主を引っ張られないで)歩けるようになりました。練習さえすれば、どんな犬も飼い主を引っ張らないで歩けるようになるものです。
これから何回かに分けて、どんな犬でも誰でもできる失敗しない犬と楽しく歩くための練習方法をご紹介していきたいと思います。

2. まずは犬の歩く位置を決めましょう
犬と歩くときの基本には2つあります。
その一つは、犬があなたと歩くときの位置を決めてあげることです。
あなたの体の左側か右側で、いつも犬を歩かせるようにするのです。一般的にはあなたの体の左側で犬を歩かせる方が犬をコントロールしやすいのですが、右側のほうが楽な人は右側でもかまいません。(モデルのまいちゃんは左側につけています)
どちらかの側に犬を歩かせることを決めたら、その側でいつも犬が歩けるよう心がけることが大切です。(犬を左側につける練習は次の機会に詳しくご紹介します)
あなたの前後左右にと、犬が好き勝手に場所を移動しながら歩くことを放置していると、人間との歩き方を犬に教えにくく、犬も人間といっしょに歩くときのルールを覚えられなくなるのです。(ただし犬を好き勝手に歩かせてもいいときは、自由にしていいのですよ!)

3. リードはゆるめて歩きます
犬と歩くときの基本の二つ目が、リードをゆるめて歩くことです。
「リードをゆるめて歩きましょう」と言っても、ピーンと来ない人が案外多いのですが、あなたもそうですか?
画像のモデルのまいちゃんを見てください。リードはかなり伸ばして歩いていますが、ピーンと張っていませんよね?たるんでいるでしょ?これが「リードをゆるめて歩く」こと。
具体的には、リードを長く持とうが短く持とうが、それには関係なく、首輪につけたリードのナスカン部分からあなたの手までの距離のリードが、いつもゆるませて歩くということです。
ここがピーンと張っていたら、犬があなたを引っ張って歩いている証拠。ここがゆるんでいたら、あなたを引っ張らずに歩いているということです。

4. 「だって犬が、勝手に引っ張るの」ですって?
「リードをゆるめて歩く」と簡単に言うけれど、犬が勝手に引っ張ってしまうのだもの!と嘆いている人、ちょっと待って。犬だってこう言っています。「飼い主が引っ張るから首が苦しくて苦しくて、だから飼い主から逃げたいのさ」って。 犬がリードを引っ張ると、首輪が引っ張られて首が苦しくなります。そこで、あなたから逃れようとさらに前に行こうとしてリードを引っ張るのです。
そんなときにあなたが引っ張られながらいっしょに前に進むと、犬はますます首が苦しくて、あなたから逃げようとリードを引っ張り、あなたと犬はまるで永遠に終わらない綱引きをしているようになります。これでは犬の散歩が苦痛になっても当然です。
ひどいときは、そのために前足を浮かしたように前身を浮かしながら歩くしかない犬もいます。この姿勢は犬が「攻撃」をするときにとても似ているので、他の犬が見たらギョッとします。これが原因で犬同士の喧嘩に発展するときもあります。
だから、とにかく犬の首をしめないように、「リードをゆるめて歩く」ことがとてもとても大切なのです。